072 ハフニウム 《Hf》
チタン族元素。周期表において真上のジルコニウムとは性質は酷似しているが
中性子との反応性だけは真逆。中性子吸収断面積が非常に大きいので原子炉の
制御棒に使用される。炭化タンタルハフニウムは地球上の物質の中で
最高の融点を持つ(4215℃)。




073 タンタル 《Ta》
バナジウム族元素。耐食性、耐酸性共に非常に高く、金すら溶かす王水でも溶けない。
光反射率が全金属中最低なので外見は黒っぽい。主に精密機械のコンデンサに使われており、
近年価格が高騰している。人体に無害な金属なのでインプラントにも使用される。




074 タングステン 《W》
単体では全金属中最高の融点(3422℃)を持つ元素。非常に硬く、耐食性も高い。
金とほぼ同じ重さであるが故にニセ金インゴットが作られることがある。
昔はよく白熱電球のフィラメントに使われていた。今は地下トンネル掘削用の巨大ドリルや
超硬機具の材料の他、対戦車、対戦艦の砲弾や徹甲弾として活躍中。




075 レニウム 《Re》
天然では最後に発見された元素(放射性元素除く)。単体金属では最硬。
耐熱性の高い合金に使用される。この元素も命名の紆余曲折があり、日本人の科学者、
小川正孝氏が発見したが命名権を手に入れ損ねた元素でもある。
小川氏は43番元素と思い込んでいたためだ。




076 オスミウム 《Os》
全元素中最大の密度・比重(22.6)を持つ白金族元素。イリジウムと共に発見された。
単体金属の外見は青みがかった灰色をしており、空気中に放置すると猛毒の
四酸化オスミウムが発生する。耐食性に優れ、万年筆のペン先等に使用される。
あとクサい。




077 イリジウム 《Ir》
オスミウムに次いで重い白金族元素。全金属中最強の耐食性。メートル原器の材料。
この元素は隕石に多く含まれる。地球には殆ど存在しないイリジウムがとある太古の地層に
大量に存在しているので、恐竜が絶滅した原因は隕石衝突がほぼ定説となっている。




078 白金 《Pt》
金よりも貴重で高価な(たまに金より安くなる)白金族元素。よくプラチナと呼ばれるが
学術用語としては白金(はっきん)が正しい。ホワイトゴールドとは全くの別物。
宝飾品としてはもちろん、排ガスの浄化触媒や抗癌剤であるシスプラチンの
原料になったりと活躍の幅は広い。




079 金 《Au》
王たる金属。柔らかく、展性・延性が全金属中最大。限界まで伸ばせば3Kmの
針金になる。耐食性も非常に高く、腐らぬが故に太古から貴重とされてきた。純金なら
金属アレルギーは起きない。宝飾品や硬貨としての役割はもちろん、
コンピュータの電子部品としても活躍。周期表をよく見てみると、
銅、銀、金は全て11族元素であることが分かる。これは何かの偶然か?




080 水銀 《Hg》
唯一常温で液体の金属。表面張力が非常に高い。他の金属と混ざってアマルガムを
生成する。昔の体温計や水銀灯の原料。水俣病の原因は水銀とよく言われるが、
本当の元凶はジメチル水銀等の有機水銀。純粋な水銀に毒性はあまりない。
硫化水銀(辰砂)は朱肉等の赤色の素となる。
【擬人化(?)あり】




081 タリウム 《Tl》
重金属の中でもトップクラスの毒性を持つ土類金属。毒の成分は神経毒、
ヒトは1g摂取するだけで死に至る。炎色反応は淡緑色。かつては殺鼠剤や殺虫剤に
使われていた。アガサ・クリスティの推理小説『蒼ざめた馬』に毒物として友情出演している。




082 鉛 《Pb》
最後の安定同位体元素である金属。ガンマ線を防ぐ遮蔽材や鉛蓄電池、はんだに
ブラウン管テレビのガラス、さらに銃弾等用途は非常に多いが、毒性がある。
鉛中毒は昔でも頻繁に発生していた。すっぱくなったワインに鉛イオンを添加すると
ワインが甘くなる・・・らしい。最近鉛はあまり使われず、代替品が使われている。
アンチヒーロー元素とでも呼ぶべきか。




083 ビスマス 《Bi》
最も芸術的な金属。熱して冷却すると目に見える大きさの虹色の結晶(骸晶)を生成する。
酸化膜による虹色の構造色と幾何学造形のコラボはまさしく芸術。熱伝導率が低く、
ぶっちぎりの反磁性を持っていたりとあまり金属らしくない。医薬品にも使用される。




084 ポロニウム 《Po》
放射性の半金属。半減期は138日。放射能の強さは実にウランの100億倍。
α線を発しているが紙一枚で遮蔽可能。ただし体内被曝すると致命傷だ。
2006年に発生したリトヴィネンコ氏の毒殺に使われたことでも有名である。
人工衛星等の原子力電池に使用される。
 
100億倍なんてとんでもない数値書いたけど『ヤツら』のほうがもっとヤバいです





085 アスタチン 《At》
第5のハロゲンにして半金属の性質を持つ放射性元素。半減期は8時間。
自然界にはほとんど存在せず(ウラン系列の崩壊で稀に生成)、アスタチンのほとんどは人工物。
強力なα線を放出するので放射線による癌治療に使えるのではないかと研究中だ。




086 ラドン《Rn》
第6の希ガス元素にして放射性元素。ラジウムが崩壊して生成されるためこの名がついた。
ラドンの同位体には特有の名前があり、ラドン220はトロン、219はアクチノンと呼ばれる。
温泉で有名(ホルミシス効果)で、様々な治癒効果を持つが吸いすぎには注意。




087 フランシウム 《Fr》
第6のアルカリ金属。セシウムと同族なので水に入れると超大爆発!
・・・と言いたいところだが目に見える程のサイズのフランシウムは発見されてないので
性質はほぼ不明。半減期は22分。どうやら100番より前の奇数番号の放射性元素は
半減期が短く、すぐに消える傾向にあるようだ。




088 ラジウム 《Ra》
第4のアルカリ土類金属にして放射性元素。炎色反応は洋紅色。昔は腕時計などの
夜光塗料や放射線治療等に用いられていたが放射能が強力すぎるが故に現在は代替品が
使われている。ラジウムが崩壊してラドンになるため、ラドン温泉にはこいつが欠かせない。


No.001~018    No.019~036

No.037~056    No.057~071

No.072~088    No.089~103

No.104~112    No.???~???

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